Leica M-E 手放しました

M型Leicaをどうしても使ってみたくて、いろいろ苦心して(手持ち機材ほぼすべてを処分して)資金を作って購入したLeica M-Eですが、とうとう手放しました。

マップカメラで購入したので中古でも1年の自然故障の保証がつくので、買ったときから「まずは1年使ってどうするか考えよう」と思っていました。

で、今回「売却する」という判断となりました。

Leica M-Eの良かった点を振り返ってみようと思います。

M-Eを買ってよかった点

見た目がかっこいい

まずこれにつきますよね。レンジファインダーカメラにして、本物のレンジファインダーを備えるカメラ。それが唯一ライカなのですからね。

もともとNOKTONの40mmを使っていたのでブライトフレームをあてにして撮影していませんでしたが、ブライトフレームも見やすいし、スプリットイメージも見やすく、マニュアルフォーカスながらピント合わせも意外としやすいです。

その撮影スタイルそのものがかっこいい感じ、なんですよね。

正直、このカメラで子供の発表会など失敗できない撮影をしようとは思わなかったので、スナップだけで使っていました。ですから、使うか使わないかわからないけど、子供と一緒にいる時に方からぶら下げておくだけでもいいかな、って思える。だから持ち出す機会も増えて、シャッターチャンスも増える、そんな感じですね。

とにかく、好き嫌いはあるのでしょうけど、私にとっては見た目だけじゃなくその撮影すたりうもかっこいいって感じでした。

しっかり写る

どんなカメラであれ、その写りが魅力的でないと決して沢山の人から使われることはないと思います。

実際「コダック製のCCD」と言われても何が違うのかわかりませんが、でも確かに「雰囲気ある」写りを出してくれるのがこのM-E(M9)でした。

フィルムライクというとなんかそれっぽいですが、そうじゃなくてJPGでもRAWそのまま現像でも好みの色の画が出てくるのが良かったです。

そして解像感もあり、ピントも意外と合いやすいというのも不思議でした。

走り回る子供でも幼稚園児くらいのスピードパンフォーカスすれば流し撮りもできます。

こどもの上半身をフレーミングして移す場合でも鼻のあたりをスプリットイメージでピント合わせすればF2前後でも意外と瞳にピントが合います。これが不思議でした。

意外と撮影しにくいのかなと思いきやしっかり写せて、しっかり写ってるというのが良かったですね。

撮影スタイルが変わった

M-Eを買うまではコンデジかミラーレスカメラを使っていました。ミラーレスでも一眼レフでもレンズ交換式カメラを使うアマチュアはプログラムか絞り優先のモードを多用すると思います。

ざっくり言うと、何も考えず写したいときはプログラム、ボカシをコントロールしたい場合は絞り優先ですよね。

私は一眼レフを使ったことがほとんど無いので、露出はライブビューで露出補正をするくらいでした。これって絞り優先の場合はシャッタスピードかISOをコントロールするってことですよね。

M型Leicaを使うようになって、今まで絞りくらいしか考えていませんでしたが、ISOやシャッタスピードもしっかりと意識するようになりました。

これってフィルム感度と露出をしっかりと考えるようになった、と言ってもいいのかな、って思います。つまり写真を撮るための必要な知識が変わった、ということでしょうか。

M-Eは高感度に弱いため、ISOをオートにしても上限はせいぜい800くらいまで。M-Eのファインダーにはシャッタスピードが表示されます。手ブレしそうなスピードはだいたい1/30が限界でしょうか。それよりも遅いシャッタスピードだと絞りを開けたり、光を探してフレーミグを変えたりなど、露出(光と言ってもいいのかな?)をすごく意識するようになりました。

撮影できるように露出を考えるということでしょうかね。

その考えから、今ではRX1Rのときも結構シャッタスピード優先を使うようになっています。方でてサクッと写しても手ブレしないようなスピードを確保しつつ、ISOもあげないように絞りもコントロールして、って感じですかね。

手放した理由

まあ、実際あまり丁重に扱わずカバンに適当に放り込んで持ち運んでいました。

それくらい持ち歩いていて、当然お気に入りだったのですが、なぜ手放すことにしたのかも備忘録として書いてみようと思います。

故障リスク

一番の理由はこれですね。買った値段が36万円ほどでした。買ったときは1年はまず保証がつくから使おう。で、問題なさそうなら一生使おう、って思って買いました。

でもやっぱりデジカメなので壊れるともうアウトですよね。そしてM型は修理費がハンパなく高い。

以前M8を購入して初期不良で交換したときも、メインボード交換が必要で修理費用は20万円とのことでした。

持っててよし、使っててよしのサイコーのカメラだったのですが、デジタルライカはどうしてもデリケートなイメージしかありません。

10年くらい使って壊れたらならもう本望ですけど、2012年デビューのM-Eですから買った時点ですでに6年経過。あと数年使ううちにシャッター機構が壊れたら、と思うと「根がつく今のうちに手放した方が」という思いもありました。

これは買う前から思っていたことなので、どう判断するかはその時々に考えよう、って思っていました。

ライカのレンズがない

これは個人的事情ですが、M型を無理して買うとレンズを買う資金を捻出できません。Voigtlanderという素晴らしいレンズもありますが、やっぱりLeicaのレンズを使いたいですよね。

結局カメラはレンズが全てと言ってもいいほどレンズの性能によって移りが全然違うというのは色んな人のブログを拝見したり、自分の少ない経験でもわかっています。

せっかくのM-Eもライカレンズで写すことができない。そして将来的にも10万円を超えるようなマニュアルフォーカスのオールドレンズを手にすることができなさそう。

これではM型使っている意味も半減するのでは?という思いもありました。

レンズ交換式でLeicaのレンズを使ったことはないのですが、X2のElmaritはすごく写るレンズで、「これがライカのレンズか!」と思いました。

写りだけを考えたら「ライカのレンズをα7シリーズで使った方がいいのかな」という思いもありました。

リセールバリューが悪い

そんなこんなで手放すことになったLeica M-E。買った金額は約36万円で、売った金額は約23万円。13万円も差額がありすごく悩みましたが。

ヤフオクで売れば手数料を差し引いてももう数万円で売れそうですが、お手軽に売れるマップカメラで売りました。

リセールバリューが悪いので、買ったら最後まで使う。修理代も含めて。という覚悟が必要ですね。

楽しさももどかしさも、いろいろ勉強になった13万円かな、と思います。でも1年で13万円というコスパはすごく悪かったという反省もあります。

デジカメは時間経過と主に買取価格は下がっていきます。故障リスク増えるから当然ですね。でもLeicaに関しては販売価格はあまり落ちないという状況です。

もともと買ったときから購入価格と売却価格の差額は10万円以上ありましたから、今回13万円ほどの差益が出るのも以前からわかっていたので、この差額の迷いは常に持っていました。

ということで・・・。

子供を撮影するような機会がなくなり、手持ちの機材も整理できそうな儒教が来たら、その時に買えそうなM型と50mmのSUMMICRONあたりを買おうかなって今から楽しみにしておきます。

でもしばらくは15万円以上するカメラは購入しないと思います。

私の場合は高額なカメラを手にするのは今はまだ無理ということがわかりました。これはLeica M-Eをを買った時に抱いていた「はたして30万円以上するカメラを維持することができるのか」という疑問の答えですね。

高いボディを買うと、「高く売れるうちに次のと交換しよう」という感じになってしまうんですよね。カメラ探しをしている人も多いと思いますから、こう考えてしまう人、結構いるのではないでしょうか。

そして今回、M-Eをただ手放したわけではなく、Leicaを失った穴はLeicaでしか埋められませんから、代わりのものは手に入れました。

そのお話はまた後日。(まだ届いてないので)