第3世代iPad Pro 12.9インチでiPad OS16の新機能ステージマネージャを試してみた!レビュー

ついにiPadOS16がリリースされました。予定より1ヶ月遅れだったのでしょうかね。

しかも正式リリース時点ですでにバージョンアップされたiPadOS16.1となっています。

今回レビューするステージマネージャの外部ディスプレイへ接続した際の不具合があって、それで正式リリースが遅れ、さらに正式リリース時にはその不具合が修正されたバージョンアップ版、ということのようです。

当初はM1チップ搭載モデルのiPadでしか利用できないと発表されていましたが、その後A12X、A12Zチップを搭載したiPadProでも利用できると仕様が変更されました。

これはすっごくありがたい変更で、当初私が持っている第3世代のiPadPro12.9インチでは使えないと思っていて、iPadの買い替えを検討したのですが、そのままでも使えるということになって買い替えやめました。嬉しい!

ということで、早速触ってみたのでレビューや使用感をお伝えしようと思います。

元々iPadOSではマルチウインドウを利用できるようになっていました。画面を分割して使う「SplitView」やメインアプリの上に細いウインドウでアプリを重ねる「SlideOver」です。

また動画では対応アプリであればピクチャインピクチャも利用可能ですので、3つのアプリを画面に表示させて利用することができました。

今回、ステージマネージャはその機能の置き換えとなりますから、同時利用できず、ステージマネージャを利用するときはSplitViewやSlideOverは利用できなくなります。

ただ、これはコントロールセンターのスイッチで簡単に切り替えできるので、その時の使い方によってどちらを利用するか簡単に選択することができるようになっているのも便利な仕様ですよね。

ステージマネージャーは1画面で4つのウインドウを表示、つまり4つのアプリを表示する機能です。

SplitViewやSlideOverではアプリの切り替えがそこそこ手間があるので、Dockなどからサクッとアプリを切り替えることができるのはすごく便利です。

基本的にはウインドウが重なってしまうので、ウインドウサイズを変更する事ができるSlideOverでウインドウを4つ使える、そんなイメージです。

ですから、SplitViewのように、画面を2つ並べて同時に使うよな感じではなく、やりたいワークで利用するメインのアプリがあって、そのアプリのために別のアプリを補助的に使いたい場合、アプリをサクッと切り替えて使うことができる、またコピーなどもウインドウ上でドラッグアンドドロップなどして簡単にできる、そんな感じでした。

思ったところと違う点は、ウインドウサイズ変更です。ウインドウサイズの変更は好きなサイズに変更できるというわけではなく、ウインドウの大きさのパターンがいくつか決まっていて、ウインドウの左下か右下をドラッグしてサイズ変更するのですが、サイズは決まっている中から選んで利用するという感じです。

サイズ変更しても、決まったサイズに自動で調整される、という感じです。ウインドウの場所もウインドウの上部をドラッグして場所を決められますが、これも大体場所が決まっているようで、好きな位置に配置するというよりも決まった場所に自動調整される感じです。

また、PCではウインドウを画面上からはみ出しても移動できますが、ステージマネージャはそれができず、画面から出ちゃうようなウインドウの移動をしても、ウインドウの場所がある程度決まっていますから、自動でその場所に戻っちゃうという動きをします。

また、iPadは基本的に一つのアプリが画面を占有して使う前提で設計されています。ステージマネージャを利用して4つのアプリを見ながら使おうとすると当然ウインドウサイズが小さくなります。

そうなると11インチモデルではちょっと厳しいんじゃ無いかなって思いました。12.9インチでは違和感なく使えましたが、SurfaceGo2を使っている経験から、画面を4分割するくらいのウインドウサイズだと、そのウインドウの描画範囲も狭くなって、場合によってはそこそこ使いづらいです。それならSplitViewの方がいいじゃん、っていう利用シーンも結構多いような気がしました。

今回のステージマネージャの導入はiPad単体で使うよりも外部ディスプレイを接続して使うほが大きなメリットがあるのかな、と思いました。ただ、外部ディスプレイを接続してステージマネージャを利用するにはM1搭載モデルのiPadが必要ですので、私の環境では試せませんでした。まあ、外部ディスプレイもありませんけどね。

いずれにせよ、どこまでPCライクに利用するか、MacBookの代わりとなり得るか、という考えで使うと、従来通り失敗すると思います。

やっぱりiPadOSとmacOSは別物と思った方がいいでしょう。iPadのマルチウインドウ化はmacOSなどPCライクに使うための進化ではなく、あくまでiPadを快適に使うための一つの選択し、またはAppleの提案として提供されていると考えた方が良さそうです。

当初から提供された一つのウインドウで画面を占有する、SplitViewで画面を2分割する、SlideOverで必要な時だけ縦長ウインドウを呼び出す、ステージマネージャである程度自由にウインドウサイズを決めてアプリをさくさく切り替えて使う、そうしたアプリの使い方をiPadでその使い方に応じて切り替えて使うことができるというが魅力であり、正しい使い方なんだろうなあって思いました。

やっぱりPCはPC、iPadはiPadというのを改めて思い知ったって感じです。

以前MacBookの代わりにiPadPro12.9インチを買った時に感じた、「iPadはMacにはなりえない」これはiPadOS16のステージマネージャでも変わらず、今後も変わらないんだろうなって思います。

とはいえ、いちいち切り替えて使うのもおそらく微妙だと思うんですよね。ステージマネージャをONにしてたらそれで使うやり方をそのまま使い続けるかなと思います。

で、iPad複数台持ちの人でステージマネージャ対応モデルと非対応モデルを併用している人、つまり私みたいな人は使い勝手どうなるのかな、と思いました。

例えば画面サイズは違っても同じiPadOSなら同じことができるというのがiPadの魅力です。

自宅ではiPadPro12.9インチ、外出先ではiPadminiと外部キーボードを使います。

画面サイズは違っても、キーボードは違っても同じことができるのが作業効率を高めてくれます。

でもiPadminiはステージマネージャ非対応ですから、iPadでの作業の使い分けも私の中では今後進んで行きそうな気がします。